こんにちは! 株式会社Beクリーン、代表の加藤です。
北海道の冬、家の中は暖かくて快適ですよね。 しかし、その「快適さ(高気密・高断熱)」と「雪国特有の生活スタイル」が組み合わさることで、本州ではあまり起きない「ニオイのトラブル」が発生することをご存知でしょうか?
「玄関を開けると、なぜかガソリンスタンドのような臭いがする…」 「先週食べたジンギスカンのニオイが、まだリビングに残っている…」 「大雪の翌日、急に部屋がドブ臭くなった…」
これらには全て、科学的な理由があります。 今回は、北海道の住宅で頻発する「3つの代表的な悪臭トラブル」について、その発生メカニズムとプロの視点からの対策を解説します。
1. 玄関の強敵「こぼした灯油」のニオイ
北海道の暖房といえばFF式ストーブ。ホームタンクやポリタンクで給油する際、うっかり「ポタッ」とこぼしてしまった経験はありませんか?
なぜいつまでも臭うのか?
「すぐに雑巾で拭いたのに、半年経ってもまだ臭う」 これは灯油という物質の**「浸透力」**が原因です。
玄関のコンクリートやタイルの目地は、顕微鏡で見るとスポンジのように穴だらけ(多孔質)です。 灯油は水よりも表面張力が低いため、この細かい穴の奥深くまで瞬時に染み込みます。
やってはいけないNG行動
- 水拭きをする: 灯油は油なので、水では弾いて広げるだけです。
- 消臭スプレー: 表面の空気をごまかすだけで、コンクリートの中に染み込んだ灯油には届きません。
【解決のヒント】 染み込んだ灯油は自然には揮発しにくいです。もしこぼしてしまったら、すぐに新聞紙や猫砂などで吸い取り、それ以上広げないこと。 それでも臭いが取れない場合は、コンクリート内部の油分を中和・分解する特殊な施工が必要になります。
灯油に関しての詳しい解説はコチラをご覧ください。
2. 高気密住宅 vs ジンギスカン(焼肉)臭
冬の北海道民の楽しみ、室内でのジンギスカンや焼肉。 「外はマイナス気温だし、換気はそこそこでいいか…」と楽しんだ代償として、翌日以降、リビングに染み付いたニオイに絶望する。これはもはや冬の風物詩です。
しかし、なぜ最近の家(高気密住宅)でやると、昔の家よりもニオイが取れにくいのでしょうか? そこには「オイルミスト」と「酸化」という2つの化学反応が関わっています。
① 犯人は煙ではなく「見えない油の霧」
鉄板の上でジュージュー焼いている時、目に見える白い煙だけでなく、目に見えない微細な「オイルミスト(油の霧)」が大量に舞い上がっています。
換気扇で吸いきれなかったこのミストは、空気の流れに乗って部屋中に拡散します。 そして、壁紙(クロス)、天井、カーテン、ソファなどに衝突し、冷やされて「液体〜固体の油汚れ」として定着します。
高気密住宅は、言わば「密閉されたタッパー」の中で焼肉をしているようなもの。 逃げ場のないオイルミストは、部屋の全表面に薄い油のコーティングを作ってしまうのです。
② 3日後にニオイが変わる?「酸化」の恐怖
「焼肉の翌日より、3日後の方がなんか臭くない?」 そう感じたことはありませんか?
これは、壁に張り付いた油が空気中の酸素と触れて「酸化(さんか)」し、化学変化を起こしているからです。 新鮮な肉のニオイから、古くなった油特有の酸っぱいような、重たくて不快な「酸化臭」へと変質します。こうなると、不快指数は一気に跳ね上がります。
③ なぜ消臭スプレーが効かないのか?
「臭いから消臭スプレーをたっぷりかけた」という方も多いですが、残念ながら逆効果になることがあります。
市販の消臭スプレーの多くは「水溶性(水に溶ける)」の成分で作られています。 一方、ジンギスカンのニオイの原因は「油性(羊の脂)」です。 水と油は混ざりません。つまり、油の膜の上に消臭剤の水をかけているだけで、根本的なニオイの元(油膜)には届いていないのです。
さらに、水分を与えることで壁紙の中のカビ菌などを活性化させ、ニオイが複雑に混ざり合ってしまうリスクさえあります。
【Beクリーンの解決策】 酸化した油汚れは、換気だけでは絶対に取れません。化学的なアプローチが必要です。
- アルカリ洗浄(中和): 壁紙や天井についた酸性の油汚れを、アルカリ性の特殊洗剤で中和・分解し、拭き取ります。
- オゾン燻蒸(分解): 油の粒子が染み込んで拭き取れない隙間や繊維の奥には、高濃度のオゾンガスを充満させ、ニオイの分子そのものを破壊します。
「壁紙を張り替えるしかないか…」と諦める前に、まずは「洗浄と脱臭」をご検討ください。
3. 大雪の後に急発生!「下水の逆流臭」
「昨夜、ドカ雪が降ったあとに、急に洗面所やお風呂場がドブ臭くなった」 これは、北海道の戸建て住宅特有の「通気管(つうきかん)の閉塞」が原因かもしれません。
雪により通気管が埋まっている?
排水管には、スムーズに水を流すために空気を取り入れる「通気管」という小さな煙突のような管が、屋根の上や住宅の周りの壁の付近、汚水桝の近辺などどこかにに突き出ています。 大雪でこの通気管がすっぽり埋まってしまうと、排水管の中が窒息状態になります。
この状態でトイレなどの水を流すと、管の中の気圧バランスが崩れ(負圧になり)、洗面所やお風呂場の排水トラップに溜まっている水(封水)が、ゴボゴボ!と音を立てて引っ張られ、無くなってしまいます。 水という「フタ」が無くなった排水口からは、下水のニオイが直通で上がってくるのです。
家は悪くない?「本管」が引き起こす空気の逆流
「屋根の雪も確認した。排水溝の水も枯れていない。でも、ボコボコと音がして臭う…」
実は、旭川のような豪雪地帯では、ご自宅の設備に全く問題がなくても不可抗力でニオイが発生するケースがあります。 それが、道路の地下を走る「下水道本管(公共下水道)」の影響です。
1. 雪解けと流雪溝による「水量の急変」 春先の急な暖気による大量の雪解け水や、排雪作業で「流雪溝」に大量の雪が投雪されると、道路の下にある下水道本管の水位は急激に上昇します。
2. 地下の空気の「ピストン作用」 本管の中の水が急に増えると、それまで管内にあった空気の逃げ場がなくなります。 大量の水がピストンのように空気を押し縮めたり(正圧)、逆に勢いよく流れる水が空気を引っ張り込んだり(負圧)します。
3. 行き場を失った空気はどこへ? 本管内で高まった空気圧は、逃げ道を求めて、皆様のご自宅の排水管(支管)へと逆流してきます。 この圧力が、家庭用の小さな排水トラップ(水のフタ)の抵抗力を超えた瞬間、「ボコッ!」という音と共に下水の空気が室内に噴き出したり(跳ね出し)、逆にトラップの水を引っ張り込んでフタを壊したり(吸い出し)するのです。
この現象の特徴:
- 時間帯による変動: 気温が上がって雪解けが進む昼過ぎや、除雪作業が行われている時間帯に突発的に発生しやすい。
- 地域的な連鎖: 近所の家でも同じような現象が起きていることが多い。
これはご自宅の不備ではありませんが、現象としては「排水トラップの機能不全」です。 あまりに頻繁に起きる場合は、Beクリーンのような専門家による調査や、場合によっては市の下水道課への相談が必要になる「地域特有のインフラ現象」と言えます。
乾燥による「蒸発」も
また、全館暖房や床暖房で家の中が乾燥していると、長期間使っていない排水口(来客用トイレなど)の水が蒸発してしまい、そこからニオイが上がることもあります。
【解決のヒント】
- 大雪の後: 排水時にボコボコ音がしないか注意する。安全なら屋根の通気管周りを除雪する。
- 乾燥: 使っていない排水口にも、定期的にコップ一杯の水を流して「フタ」を作る。
まとめ:北海道のニオイには「理由」がある
- 灯油はコンクリートに染み込んで残留する。
- 焼肉はオイルミストとして高気密な壁に張り付く。
- 下水臭は雪による通気不全や乾燥で逆流する。
これらは、消臭剤を置くだけでは解決しない「構造的・化学的な問題」です。
Beクリーンでは、こうした北海道特有の事情を熟知した上で、臭気測定器による数値化と、原因に合わせた最適な化学的アプローチ(洗浄・中和・オゾン脱臭など)をご提案します。
「換気しても掃除してもニオイが消えない!」 そんな時は、ぜひ一度、地元のプロにご相談ください。

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